約束 〜3〜

一方通行がどこまでも続いていく

誰がどうやって止めるかなんて分からなくて

行き止まりまで真っ直ぐ歩いて行くしか出来なかった



約束 〜3〜



連絡がとれないと不安になる

と言うよりも、やっぱり2番目だったんだって実感する

連絡が素っ気ないともっと不安になる

都合のいい相手だったんだって実感する


最初から分かっていたんだけど、ザックリと斬りつけられた気分だ

バッサリではなく、ザックリと。

深く深く刺さって行くのを自分で感じながら

それでも僕は梨沙子を見て微笑むんだと思った


「…」

「どうかしたの?」


僕の部屋、僕のベッドなのにそこに居るのは僕じゃない

桃が居て、それを妙に客観的に眺めている

そんな事は前から結構あったから

幼馴染だから、性別を超えた関係だ


特に気にする様な事もなく会話を続ける

まるで他人事の様な口ぶり

なんて冷たいんだって思うんだけど

予期出来た事が起こっても、驚くなんて馬鹿げた事はしない


「多分、別れる」

「へっ、梨沙子ちゃんだっけ?」

「うん。」

「なんで?」

「メールがきた、話があるって」


そんなメールが来たの初めてだった

話したい事がある時は基本電話をしてきたし

会った時に聞ける話は全部聞いてあげてた


なんとなくそう言うのは予想出来る


「最近、会ってなかったし、多分別れる」

「悲しくないの?」

「悲しいよ、凄く」

「でも、普通だね」

「なんとなく分かってたし、梨沙子他に好きな人居たし」


そうだ、梨沙子には僕じゃない別に好きな人が居た

気まぐれなのか、同情なのか分からなかったけど

僕の気持ちに優しく微笑んでくれた


だから猶予付きの恋だって言うのは納得していた


付き合い始めてからも恋人と言うよりも相談相手

身近な大人でしかなかったけど、

梨沙子は少し不器用だったけど、やっぱり微笑んでくれた

寂しい気持ちを利用してるのはどっちもで

責める事も責められる事もなく、ただ時間は過ぎて行った


「なにそれ、ひどいじゃん」

「酷くないよ、言葉にしないだけで分かってたから」

「キャップはそれで良いの?」

「うん、多分。」


どっちともつかない返事

客観的と言うよりも、ただフワフワと浮遊している様な返事

ただ、僕の為に桃が泣いているのは綺麗だと思った


「相手、好きなヤツモテるヤツだったから」

「うん」

「だから、そんなヤツと付き合える梨沙子は幸せだよ」


しかも、初恋の相手

ずっとずっと彼女の心の中に居た人

嫌でも、応援したくなる

それは梨沙子だからなのかもしれない


「モテるヤツの気持ちなんて分かんないけどさ」

「うん」

「遊び以外で梨沙子を選んだなら、それで良い」


桃に話しているのか、自分に言い聞かせているのか分からなかったけど

少しずつ思っていた事をぶちまけた


「周りを傷付けるなら、モテたくなんてないな」

「…じゃあ、キャップもう無理だよ」

「ふぇっ?」

「桃の事、十分傷付けたでしょ」


赤い目、流れた涙のあと

精一杯怒ってるってアピールしている桃

コイツの顔が少しだけ、少しだけ心から可愛いって思えたのは

まだ気付かないフリをして、僕は桃に抱きついて泣いた