×××私と先輩××× 10

カチャカチャと食器同士が擦れる音が響く

それに混じって上機嫌な鼻歌も聞こえる

愛理はそれをモジモジとしながら聞いている


「あっ、テレビとか勝手に点けて良いからね」

「あっ、はい…」


えりかはキッチンから顔だけを覗かせ、愛理に声をかける

愛理ははにかみながら頷く


特に見たい番組は無いけれど、えりかに言われた通りテレビを点けた

中では、見覚え乗る人たちがゲラゲラと笑っている

途中からだったから愛理はその笑いの理由が分からないけど

そのままチャンネルを変えないで、リモコンを机の上に置いた


「ふーっ、終わった」

「お疲れさまです」

「いえいえ…」


えりかはさっきまで食べていたオムライスの皿やグラスそ片付け

ジッと待っていた愛理の隣に座った

と思ったら直ぐに立ち上がり、愛理の背後に回る


「よいしょっ」

「あっ、あの…」

「あー、やっぱりジャストフィット」


ギューッと愛理に抱きつく様にして、えりかは座る

そんな彼にあたふたと同様してしまう愛理は顔まで真っ赤になっている


「んー、愛理ちゃん何か甘い匂いするね…」

「えっ…」

「ちょー落ち着く」


愛理の首筋に顔を埋め、えりかはスゥーっと息を吸い込む

それがくすぐったくて体を捩らせる


「先輩、あのっ!!」

「んー」

「少し、くすぐったいです…」

「あー、ごめん」


間延びした声でえりかは謝るが、顔は愛理の首筋から離さない

だから、何か話す度に息が頬や耳にかかり、更に見を捩らせてしまう


「あー、もうちょっと大人しくしててよー」

「すみません…」

「嘘なんだよ…ごめん、愛理ちゃんが可愛くて」


えりかは顔をあげるとポンポンと愛理の頭を撫でる

それは癖なのかえりかはよくそうやって愛理を撫でる

その手の大きさとか、テンポの心地良さに愛理は目を細め表情を崩す


「でも、ホントに気持ち良いかも」

「ピッタリみたいですね、私」

「うん、こんなにピッタリだと離れたくないかも」


えりかはそう言うとまた顔を埋める

愛理はそんなえりかが可愛いと思い、少し嬉しくなる

ギュッと抱きしめられている事に少しずつなれて来る


「ずっと、こうしていたいかも」

「私もですよ…」

「でも、残念な事に愛理ちゃんはもう帰宅のお時間です」

「あっ…」


時計を見ると21時前

えりかは一人暮らしだから時間を気にしなくても良いが

愛理は実家暮らしだし、何と言ってもまだ15才

そこらへんの節度は守ろうとしている


「じゃあ、最後愛理ちゃんこっち向いて」


えりかが抱きしめていた手をするりとほどき

愛理はえりかの方を素直に向いた


すると、えりかはチュッと軽くキスをする

はにかんだ様に顔を伏せる愛理にえりかは満足げに笑う


「じゃあ、送ってくよ」

「あっ、ありがとうございます」

「ちょっとでも長く一緒にいたいでしょ」


えりかはサッと立ち上がり愛理の手を引く

しっかりと握られた手は、簡単には離れそうには無かった