生徒会室にて

生徒会室にて


ゴシゴシと手の届く限りの範囲を一生懸命綺麗にする、

その姿を見て机についていたえりかは微笑む


「笑うなら、手伝ってよ」

「だって、ウチ生徒会役員じゃないしー」

「じゃあ、なんで居るのさ」


キリッと睨みつけるが、効果がないみたいでウメダさんはハハハと声に出して笑った

シミズくんはそれに少し呆れた様だが、仕方ないと思い諦めた


「だって、ここお茶美味しいんだもん」

「備品なんですけどー」

「一杯だけー」


ウメダさんは時々生徒会室にやって来ては一人休んで行く

シミズくんはそんなウメダさんに慣れたのか、あまりキツく文句は言わない

ウメダさんはウメダさんでそれに甘えている


「今日さ、舞美の家行くから待ってるの」

「へぇー、それは迷惑だなぁ」

「人の恋は応援して下さいよー」


二人と話に上っているヤジマくんは中学校からの友達

三人でしか分からない様な話も多々ある


「そう言えばさー、男子はそういう話するの?」

「ほえっ?」

「いや、恋の話とか」


ウメダさんの方を振り向いて呆気にとられた顔のシミズくん

ウメダさんはそんなシミズくんを見ても、表情を変えない


「だからさぁ好きな人の話とかしないの?」

「あー、あーね…してるヤツもいるよ」

「シミサキは?」

「俺はしないかなぁ、あんま興味ないし」


シミズくんは口を尖らせて答える

ウメダさんはふーんと頷く


「えりかは人気だよ」

「マジ?」

「うん、矢島さえ居なければ狙うって言うヤツ多い」


ウメダさんはそれを聞いて少し嬉しそうになる

だけど、それはモテているからではなく、ヤジマくんとお似合いと見られている事にだ

シミズくんはそんなウメダさんを見て、子供っぽいなぁと思う


「あとね、ツグナガさんは人気あるよ、可愛いって皆が言ってる」

「桃はねぇ、小さいしブリブリだもんね」

「へぇ〜」

「シミサキは何とも思わないの?」

「えっ…?あー、この前の料理は美味しかったデス」


シミズくんは下を向いて思い出している

調理実習の時、ツグナガさんにもらった料理

他人丼だったはずなのに目玉焼きが乗っていたあの料理

味は悪く無くて、結構美味しかった気がする


「桃の料理美味しいなんて言えるのシミサキだけだよ」

「そっかな?本当に美味しかったけど」

「ウチそのあとちょっと貰ったけど無理、アレ無理」


ウメダさんはウゲーって顔をして舌を出す

シミズくんはやっぱり口を尖らせたままそれを見る

自分の味覚が変なのか、ウメダさんの味覚が変なのか

そんな事を考えていた