毎日変わらない景色に、毎日変わらない様に忙しそうにしてる人たち
それをいちいち私が覚えて無い様に、私の事を思ってくれる人なんて居るか分からない
それでも私はたった一人、その人の心の中にだけで良いから生き続けたいと願う
コンビニの袋を片手にブラブラさせながら、歩く街並みは昨日とどこが違うのかなんて私には分からない
スーツ姿のオジサンだって、妙に張り切った格好のオバサンだって、
ずーっと前からそこに居たみたいに思えるし、実は今日初めて見る人かもしれない
要するに私にとってそんな事は小さな事で
気にしなければ、どうって事ない
それなのに、さっきからそんな事ばかりを考えている
多分それは私がそういう風に思われてしまう事に酷く畏れを抱いているから
もし私って言う存在が誰の中にも生き続けていかなかったら…
そんな事を考えても意味が無いのに
こんな風に悪い方に考えるのは“君”って言う存在を知ったから
何が起きても、君の中に生き続けたいから
ボーっとしながら歩いていると、目の前に小さな猫
首輪も何も付けていないから、野良なのかなって思いながら見つめる
小さいながらも凛とした姿
何食わぬ顔で往来を闊歩する姿は私の心を捕らえて離さない
目的地なんてなく、宛もなく歩く、そんな猫は私と違って人の目なんて気にしていないんだろう
そんな風に生きられたら、私は私のままで居られるんだろう
周りの世界の事なんて気にする事も無く
だけど生憎、私には目的地もちゃんとある
そして、そこで待つ君に、私がちゃんとここに居るんだよって感じてもらいたいんだ
それだけで大丈夫
それだけあれば私は今日だって、明日だって生き続けるよ
「栞菜っ!!」
「愛理…」
ほら、君の笑顔を私はこの目で見られるよ
ほら、君の声を私はこの耳で聞けるよ
だから、今日も私はこの足で歩く
少しずつだけど、この足で歩いて行くよ