プロローグ

「…以上。今回はこれを以て閉会とします」


壇上の少し背の低めの少年がそう告げると、どこからともなく拍手が起きた

それを聞くと少年は安心した様に柔らかく微笑んだ


* * * * *


「会長笑うと可愛いよねー」

「うん、何か幼い感じが可愛いのに、しっかりしてて頼もしいよね」


講堂から教室への道

女の子たちはいつも壇上で凛々しい姿を見せた少年の話をする


「シミサキ人気だねー」

「会長だもんねー」


ただ、この二人だけはそれを傍観する立場

少年に興味が無いと言うより、キャーキャーと騒ぐ女子たちに混ざるのは気が引けるだけだ


「えりかちゃんには舞美が居るもんねー」

「やっだぁー!!舞美とはそんなんじゃ無いって!!」


二人居る少女の背が高い方の子が、小さい方の背中をバシバシと叩く

その強さに少しつんのめりながら、振り向く


「痛いー!!…でも、良いなぁー」

「何が?」

「桃も恋がしたぁーい」

「そのうちするって」


ワーワーと大きな声で話しながら廊下を走り始める


「佐紀皆の前でよくあんな事出来るよねー」

「緊張してるよ…まぁ、舞美なら絶対噛んでるか」


少女たちが通り過ぎた横には噂の少年とその友達

まだ何も知らないから、すれ違うだけの4人


ここから始まるフツーのお話

小さな少年と、小さな少女のお話