work hard

頑張り過ぎないでって言えなかった

だって頑張り過ぎちゃう所が格好良かったりするから

そういう所もどんどん好きになる


* * * * *


ベリーズの皆は良い意味で個性的、率直に言うと我儘だと思う(桃は例外で素直でちょーいい子☆)

そんな皆をまとめる事が出来るのは佐紀ちゃんだけだと思う


だから佐紀ちゃんは、それは当たり前なんだけどメンバー皆に愛されている

メンバーだけじゃなくて、仲間でライバルの℃-uteの皆にも信頼されていると思う

同じ年で副キャプテンの桃としては、佐紀ちゃんはすんごく尊敬出来るキャプテンだ


「…で、何で?」

「何がぁ?」


状況から説明すると…

椅子、その上に座る桃、そして更にその上に座る佐紀ちゃん

桃的に大きな愛でもてなす、最高の方法で

それはもう、桃が佐紀ちゃんより背が高かった頃から変わらない方法だ


「いや、普通に考えてこの状態可笑しくない」

「えー、普通に考えてフツーだよ」

「可笑しいから…おーろーせー!!」


バタバタっと足を大げさに動かして、小さな抵抗を見せる

そんなのに桃、負けてらんない!!

さっきよりも少しだけ力を込めてギューッと抱きしめる


「暴れないでよー」

「じゃあ下ろしてよ、ホントこの状態嫌なんですけど」

「でも、でも、でもねー…」


桃はすごく心配してるんだ

こんなにも頑張っている佐紀ちゃんがいつかどうかなっちゃったりしたら嫌だし

どうかしてしまったって皆が思っちゃうのも嫌だ


「…桃」

「だって心配なんだもーん、佐紀ちゃんこの頃格好良いしさー」


それに、佐紀ちゃんが頑張り過ぎると格好良いからさ

みやとか徳さんとか梨沙子とか熊井ちょーとかすぅーちゃんとか…

はたまた、舞美とか、えりかちゃんとか、愛理とか、千聖とか、舞ちゃんとか、なっきぃとか、栞ちゃんとか…

とりあえず、皆が佐紀ちゃんに夢中になっちゃうのは桃的にすんごく困る


「…ばーか」

「えっ、桃バカじゃないよ!!」

「バカだよ、大バカ」


佐紀ちゃんは少し動きづらそうに身をよじって、桃の方を見る

ちょっときつめの視線で、不満そうに桃を見つめている


「あのさぁ、あんたさぁー」

「何さー」

「大丈夫だって、私これでもキャプテンだよ?」


“多少格好良くないとさー、やってけないべ”

って言って、佐紀ちゃんはヘヘっと笑った

悔しいくらいにその笑顔が素敵で、桃は何にも言えなくなった


「桃がしてる様な心配なら、どんと構えてないと…」

「佐紀ちゃぁーん…」


ポンポンと頭を撫でられる

そうされると安心しちゃうし、ドキドキしちゃう


「まぁー、自称リーダーさんが心配しちゃうって言うならさ…」

「もう、正式にリーダーですぅ〜」

「そっか、そっかぁ…とりあえず、心配しちゃうって言うなら、少しは気抜いてみようかな」


「う〜ん」なんて言いながら桃の上で伸びをした佐紀ちゃんは何だか輝いて見えた

それはやっぱり桃の大好きで尊敬出来る佐紀ちゃんで

桃は抱えている佐紀ちゃんの背中にグリグリと顔を押し付けた


「もー、何さー」

「んー、好きだなって思っただけ!!」

「へぇ〜、そいつはありがとうっ…」


そう言って佐紀ちゃんの腰当たりで組んでいた桃の手を解いて、

ピョンと桃の上から飛び降りた

その後ろ姿は桃とそんなに変わらない背丈なのに、どこか大きくて頼もしく見えた


「あんたもさぁ、私の心配ばっかしてると…ホレ」

「なぁに?…って、あー!!梨沙子、それ桃のお菓子!!」


佐紀ちゃんが指差した方は皆が集まって何やらワーワー騒いでいる

梨沙子は何か気合いの入った顔でお菓子をドンドン手に取る

さっき桃があとで食べようと思って確保しといたお菓子もその中にあって

「あー」って叫んだ桃に気付いて梨沙子が一気にお菓子を口に詰め込む

それが行き過ぎてむせてる姿が可愛くて桃は佐紀ちゃんと顔を見合わせた後笑ってしまった


「「アハハハハー」」

「もうっ、笑ってないで水とかちょうだいよぉ〜」


プクーっと頬を膨らませて、桃たちを見る

こうやって笑っていられるのって佐紀ちゃんのお陰で

桃はたまらなく嬉しくなった


* * * * *


頑張り過ぎちゃう所だって受け止めるよ

それは桃しか出来ない、佐紀ちゃんへの答えだからね

ほんの少しで良いから

それは知っておいて欲しい