ちょっと前を並んで歩く小さな背中が二つ
寄り添う様な距離が羨ましいなぁって思った
* * * * *
同じ学校の一個上に仲良しの先輩が居る
一緒に遊びに行ったりするくらい仲良しで、先輩後輩って言う関係よりも親友って感じだ
それが今目の前にいる佐紀ちゃんで、私より小さめの身長が特徴だ
「えっ、来週は無理でしょ」
「え〜、大丈夫だよ」
「いやっ、テスト前だから、あんたが良くても私は無理」
たまたま今日、帰ろうと思って昇降口に行く途中、佐紀ちゃんを見つけて、今に至る
この頃は佐紀ちゃんは佐紀ちゃんの友達と居る事が増えたし、
私も私ですることが無いワケじゃないから、遊ぶ事はおろか、会う事も少なくなっていた
だから来週の土曜日に久しぶりにもんじゃを食べに行こうと誘った
「でも、他に時間なくない?」
「て言うかテスト前だから時間空いてないって!!」
「なんとかなるよ」
テストよりもんじゃの方が大事じゃない?だって、私たち女子高生じゃん
とか思いながら、何とか佐紀ちゃんを説得しようと踏ん張る
「あんたは私から過去問貰ってるからなんとか出来ても、私は自力でするの」
「でも、佐紀ちゃん頭良いからだいじょぶだよ」
ワハハと笑ってる私に、佐紀ちゃんは軽く怒った感じの表情で口を尖らせる
昔からこういう所変わってない
皆のお姉さん的存在な佐紀ちゃんはしっかりと皆のお世話をしてくれてた
「とりあえず、テスト明けにしよう、それなら行く」
「じゃあ、仕方ないや…でも、絶対だよ」
約束って言って、念を押した時に後ろから「アーッ」って言う甲高い声がした
…桃だ、姿を見なくても声で分かる
「桃遅い」
「ごめーん、だってね先生がぁ…」
「良いから、早く帰ろ」
佐紀ちゃんは口を尖らせて怒った様な表情のまま桃に鞄を渡す
このキャンキャンと五月蝿い桃の扱いは昔っから誰よりも上手だった
それは今も変わりない様に見える
「ちぃ、あんた帰らないの?」
「…友達待ってるから、先に帰って良いよ」
「そっか…ありがと、まと今度ね」
桃が佐紀ちゃんに色々話しかけながら歩いて行く
佐紀ちゃんは迷惑そうな表情をしながらもそれをちゃんと聞いている
だって、誰よりも桃の事を気にしてるから
だからあんなにも楽しそうな雰囲気の出せる二人なんだと思う
さっきの“ありがとう”だって、多分そう言う事で
私はもんじゃ焼きを奢ってもらう事で内緒にしてやろうと画策していた