ちぃに愚痴るために電話した時はまだ外では激しい音を立てて雨が降っていたのに
今、カーテンの隙間から見える景色はそんな事が嘘だったかの様に晴れている
* * * * *
「おはよー」
「おはよう、って今日は早いのね」
「んー、目が覚めたし」
昨日、寝る前に目覚まし代わりのアラームをいつもより早めにセットした
そんな事が頭の中にあったのか、今日は目覚ましより先に起きてしまった
「朝ご飯食べるでしょ?」
「うん」
既に制服を着て、リビングにやって来たウチを見て
母は少し驚いていたみたいだけど、いつもと変わらない朝の景色だ
テーブルに座って食べる朝ご飯は何日ぶりだろうと思いながら
ご飯が出て来るまでテレビを見つめる
テレビの中では朝からよくこんなトーンで話せるものだと思うくらい明るめの声でアナウンサーがニュースを読んでいる
「雅、ほら早く食べなさい…早起きしたんだからボーッとしてたら意味ないでしょ」
「はぁーい…」
母に促され、テレビに向けていた視線を食事に移す
トースト、ハムエッグにコーンポタージュ…コップの中味は牛乳みたいだ
* * * * *
モグモグとゆっくり噛みながら食べる
早起きするとこんなにも健康的な生活になるのかと感心してみたりする
否、これが普通なんだろうけどウチにとっては珍しい事この他無い
「食べ終わった?そろそろ出ないと遅刻するわよ」
「う〜んっ、食べた…ごちそうさま」
母にそう言われ時計を見ると、いつもなら起きる頃だった
確かに、こんなに余裕があれば走って学校に行かなくても良いな
そう思って立ち上がり洗面台まで歯ブラシを取りに行く
リビングに戻ってテレビの前に立ってシャカシャカと歯ブラシを軽快に動かす
テレビではアナウンサーともう一人が大きな画面の前に立って、何やら話している
…天気予報だ
『昨晩の雷雨とは一転して今日は一日中晴れる模様です』
『そうですかー。昨晩の雨は酷かったですからねぇ…』
よそよそしく会話する二人
その内容から昨日の雨が嘘じゃないと知り、
ウチが願った“明日は、晴れ”って言うのが的中したと知る
「フッ…」
ふいに漏れた笑いは、多分彼女の事を思い出したから
それはやっぱり眩しいくらいの笑顔で
今日が晴れたのは100%彼女が笑ったからなんだ
ウチはワケも無くそう思うと満足した