全く違うってなんとなく感じたけど
親近感が沸くのはホントは似てるからなのかな
* * * * *
ウチには一人になりたくなる時が訪れる事が度々あって
それはどこに居ても大体突然やってくる
家に居たら部屋に籠れば良い
授業中なら先生にバレない様にイヤフォンで耳を塞げば良い
そして、今みたいな休み時間ならフラッと教室を出ていけば良い
ポケットには携帯、財布、音楽プレーヤー
携帯はホントに一人になりたい時には持っていかない
でも、今日はなんとなく
腕時計を忘れたから困らない様にとか、そんな感じで
やって来たのはいつもの場所
校舎の端、外に繋がる非常階段の一番上
晴れでも雨でも関係無いくらいに
そこはヒヤッと涼しくて、少し湿気がち
何だか良いイメージはない
だから、あんまり人は来ない
ウチみたいに内省的でセンチな気分に浸りたがるなら持ってこいな場所だけど
今日は雨って事も加わって
何かイイ感じに気持ちが落ち着く
このまま、ここに居ようかな?
てか、ウチ居ないの皆気付いてないよね?
はぁ〜、なんか全部めんどくさーい…
頭の中は完全に全てを遮断し始めていて
そろそろ夢の中に行きそうになっていた
「あっ…夏焼先輩だぁー」
「ん〜と、あぁっ…菅谷梨沙子だ」
突然、名前を呼ばれる
バカな行動とか、派手な顔立ちのせいでちょっとした学校の有名人
ウチにはこんなこと茶飯事で驚いたりはしない、断じてしない
ただ、名前を呼んだ人をウチも知ってたってだけ
目の前に現れたのは中等部2年生の人気者の菅谷梨沙子
仲が良いワケじゃないし、知り合いってワケでもない
話すのなんて多分今日が初めてだ
「…何してんの?」
「え〜…先輩は?」
“一人になりたかった”なんてダサい事言えないし
言ったら言ったで気を遣われそうで何か嫌だし
「ん〜、何だろうね?分かんない」
「ふぅ〜ん」
あっ正直に言えば良かった、って思ったのは遅かった
コイツ完璧に全く気を遣えないタイプだ
予感的中、「んしょっ…」なんて言いながら隣に座りやがった
「雨、ですねー」
「ん〜、だねー」
…沈黙
まぁ、ベラベラ喋られるよりは全然、楽だ
シトシト、雨の音
ザーザー、風の音
全部が凄く心地好い
今、瞼降ろしたら寝ちゃうんだろうな
フワっと不思議な感じ…肩が少し重くなる
「…寝てるし」
自然にカールした柔らかい髪、同じくらい綺麗にカーブを描く睫毛
全体的に丸い雰囲気
キリッとしていて、少し刺々しいなんて言われるウチ
菅谷さんはウチと正反対の位置に居る様な感じ
「んっ…あっ、寝てた…すいません」
「良いよ、ウチも寝そうだなーって思ってた所だし」
「何か気が合いますねー」
「かもねー」
それなのに、どこか似ていて
隣に居るのが全然嫌じゃなかった
…あっ、もしかして、菅谷さんも
そんな事思ったけど口にはしなかった
だって、一人で居たいウチがいつの間にか、居なくなっていて
少しでも長くこのままで居たいと思うウチが小さく顔を出していたから
だから、あと少しだけ
雨の音を聴いていよう