さっきからずっと
元から少し突き出ている唇を
あともうちょっとだけ突き出して
完全に拗ねてますオーラを発している君
それがどれだけのモノか分かってる?
放っておけるワケないでしょ?
* * * * *
「梨沙子」
「…」
この上なく頑固な君
何度となく手を焼いてきたけど
それでも可愛いって思えるのは、拗ねてる君が思う以上に私は君の事が好きだから
「もういいや…」
本当はそんな事思っていない
皆は君の方が私の事を好きだって言うかもしれないけれど
多分同じくらい、否、もしかしたら私の方が君の事を好きだから
「…何で拗ねてるか分かってる?」
「分からない」
「でしょ?みやっていつもそうだもん」
「梨沙子もだよ」
「違うよ」
「ウチも今、拗ねてる」
君がそっぽ向くのが嫌だ
いつも私を見てくれてる君だから
私を見てくれないのは絶対に嫌だ
こんなのワガママ
君以上に子供な私
そんな私を好きで居てくれる君は案外大人
「みやが拗ねる意味分からない」
「だって梨沙子が拗ねてるから」
「むー…」
「ウチ、梨沙子が見てくれてないと格好良いウチで居れないじゃん」
本当に子供な私
君のせいにして
ただ素直になれないだけ
正直者で真っ直ぐな君
ひねくれ者で遠回りしちゃう私
どっちが子供でどっちが大人
多分皆は後者を知識を得た大人って言うんだろうな
でも、それは絶対に間違いだ
「見てるもん!!みやの事ばっか見てるもん…」
ここで嬉しいって言えたらな
私、思っている以上に君が羨ましいよ
君が純粋な子供だから好きって言えるんじゃない
「…もう、拗ねるのやめる」
やっぱり君の方が大人だ
自分の気持ちをしっかり言えるから大人なんだ
結局は君が折れてくれる
毎回同じパターンばかり
学習しない部分では二人とも子供なのかな
「だってやっぱり、みやの事好きだもん」
「…バーカ、本当梨沙子はガキでバカ」
「わっ、何それー…ヒドーイ!!みやヒドーイ!!」
少しでも、君に追い付きたいよ
だから、あと少しだけ我慢していて
私が君に気持ちをちゃんと言える様になるまで
絶対にそうなれる様に頑張るから
君は私の目標であって愛すべき人だから
だから、それまで
私が大人になる日まで
「ちゃんとウチの傍に居なよ?梨沙子一人じゃ危ないんだから」
「言われなくても居てあげますぅー」
そんな日まで
もう少しだけこのまま子供の状態を満喫させて
そんな関係も良いもんでしょ?
正直者がバカを見ない様に
私が正直者の為に正直になるよ